スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

002:各々剣客浪漫譚

 真宮寺一馬は銃を腰に携えつつ、殺し合いの中にいるにしては威風堂々と歩いていた。
 彼も剣を極めし者の一人。剣捌き、居合い、見切り、あらゆる面において能力値が高い。
 だが、今彼にとって問題なのはその屈強な男の最大の弱点が、この殺し合いの中にあることだろう。


 ──真宮寺さくら。


 彼の生きている時代では、まだ年端もいかない娘である。
 確かに剣の腕は立つだろう。──ただし、同年代と一対一の剣勝負ならば、とかそんな条件の上でだ。大の大人が複数で彼女を囲んだり、銃で撃たれたり、そんな状況に陥っては太刀打ちできようはずもない。
 帝都を守るべく剣を持った一馬は、当然、この殺し合いを打ち倒すのが目的だ。
 しかし、諸悪──あの活動写真の映像の男を倒すよりも、まずはさくらを連れて脱出したい。
 それから、藤枝あやめもだ。彼女ならば積極的に味方についてくれるだろうと考える。同じ帝都を守る仲間でも、紅一点ながら能力は確かという個性の持ち主だ。やはり正義感溢れる女性だ。
 どういうわけか、一馬の大切とする女性ばかり連れてこられているらしい。


 と、その刹那──


「何奴────」


 一縷の遠慮もなくまっすぐに突き向かってきたのは刃が七枝に分れた緑の刀。
 剣を抜く要領で銃を抜くと、それを楯に刀を防ぐ。
 その際に見た敵の外形がまたおぞましく、魔物と錯覚するほどだった。人の形にありながら、木乃伊(ミイラ)のように包帯で顔を封ぜられている。その隙間から見えるのは、人の肌の色とは思えない。紫じみていて、それは血が沸き立って沸騰しているように蠢いている。
 ただ、視界を司る眼球が笑っているのは見える。


「よぉ……なかなか強そうな相手じゃねえか」


 不意の一撃にここまで良く反応し、且つ二手、三手先を読み切ったかのような冷静な表情で銃を持つ一馬に、熟練者の面影を感じたらしい。
 木乃伊男は力技を止めるため、一度刀を離して身体の真横で構えた。刀は人が扱えるような長さには見えない。人の身の丈ほどある巨大な七枝刀である。この遠心力に振り回されることもなく、ただの刀同然に扱う相手に、一馬も戦慄を覚えた。距離は詰められている。
 銃は飛び道具にもなりうるし、殺傷能力も高い武器だ。しかし、距離が近すぎる。こちらの動きで反応されやすいうえに、銃を構えてできた隙は、長刀を持つ敵には利用されがちだろう。
 ならば、どうするか。
 距離を離したところで、弾丸ごとき跳ね返せない相手とも思えない。

 ────が


(魔物退治に使うのは、何も武器と体力だけじゃない。こいつは知らんだろうな、────霊力というやつを)


 先に火を噴いたのは一馬の銃のほうであった。この銃は彼ら達人にとっては「たかが」とも言える、警察の愛銃ニューナンブに過ぎない。
 が、霊力を込めて撃てば、青白く光る弾丸は威力も、速度も軒並みにはいかなくなる。

 すかさず、木乃伊男も七枝刀を構えて弾切りに挑む。このくらい容易の業。まして、彼が秀でた人斬り。避ける、斬る、受ける──どれを取ってもおそらくはこの程度で殺されることはない。


「──────な、速っ!」


 とはいえ、それを通常のスピードを越えた弾丸を前に、判断を見誤る。避ける、が正解だったのだろうか。
 速度も、威力も違うその弾丸は剣の先を吹き飛ばす。真っ二つに折れた七枝刀は、既に三枝刀となっていた。
 だが、木乃伊男の判断は彼自身の身体を傷つけない。それが折れてから、弾丸が自らの胸へと到達するまでに再び折れた七枝刀を真上に振りかざし、直進する弾丸にぶつけ、軌道を反らしたのだ。


「今のは並のピストルの速さじゃねえな。妖術か……?」

「我々はこの力を霊力と呼んでいる」

「なるほど、霊力か。確かにその力がありゃ、ただの剣客があんたに及ぶことはない。
 ──だが、俺は残念ながらただの剣客とは一味も二味も違う」

「確かに。だが、その力は邪な感情に支配されている。正義の力に敵うものではない!」


 唾を吐き捨て、しかし顔をゆがめ、木乃伊男は折れた七枝刀、否、三枝刀を片手に一馬の前に走る。
 一馬はもう一度彼の胸をめがけて霊力の弾丸を放つが、それは瞬時に避けられる。一度目でその速度と弾道を読みきることに成功したからだ。
 彼の才は最早、一馬に追いつけないほどである。
 最初の弾丸を撃つタイミングを間違えた、と言おう。最初の弾丸は生命の危機に取っておくべきだった。
 相手があれで胸を撃たれると思い、あそこで使ってしまったことを後悔する。敵の実力を見誤ったのだ。


「この糞刀で死にな!」


 三枝刀ということは、使える刃が今だ二つある。七枝刀は一度折れた程度では、まだ足らないのだ。
 通常の戦闘で使うなら厄介だが、殺すのが目的ならできないこともない。


「今だ!」


 が、その刃の弱点は重量にもある。決して軽くはない。
 先ほどまでとは比べようもない強い霊力を込め、速度を速めた弾丸を撃った。
 すると、その刀の重さが木乃伊男のスピードについてこれず、今度は七枝刀から一つの刃も消え去る。柄だけの刀。──これでは、人は殺せまい。


「この程度かよ、正義の力っていうのは!」


 先ほどの木乃伊男の動きは、七枝刀を持った上での動きに過ぎない。
 ゆえ、柄だけの刀を捨てた彼には腕の振りが速くなり、一馬の予想よりも速く背後に回った。
 そして、今──

 自らの身体を覆う包帯を緩ませ、一馬の首を巻いていた。


「うっ……」


 紛れもない、絶体絶命である。
 銃を握る力も枯れ、なされるがまま昇天するしかないのか……。
 諦めた、その時だ。


「ロケット、ライオン丸!」


 高らかな掛け声とともに、空中から刀を持った剣士──いや、獅子? とにかく、獅子の外形をした刀の戦士が包帯を斬ったのである。
 一馬は、目の前の出来事への疑問よりも真っ先に、新鮮な空気とまためぐり合えたことに感動する。


「チッ。しけさせるんじゃねえよ!」


 木乃伊男が、相当苛立った様子で言う。
 だが、すぐに感情を切り替え、冷静さを戻す。考えれば、彼らの相手なら体術でも問題はない。
 しかし、霊力というものについても未知。どうにせよ、出直すしかないだろう。
 木乃伊男は後退。姿を見せないようにとバックステップの速さは尋常ではないほどだった。


「あなたはここにいてください。俺があいつを追います」


 ライオンはそう一馬に言い、彼の目の前を走り去っていく。
 あのライオンは何なのだろう。悪いライオンではないだろうが……。そもそも、ライオンに良し悪しなど……。
 息も切れきれ、少し気分を患った一馬は、言われたとおりにそこに座る。


「ん……? そこに誰かいるのか……?」


 頭がぼうっとして、感覚が鈍いのだが、一馬は木陰に誰かがいるのを感じた。
 殺気はない。というより、力そのものが薄い。
 ただの人間、いや、もっと言うなら小さな女の子だろう……。


「さくら、さくらなのか!?」

「え……?」

「その声、違ったか……。いや、違うなら違うで構わない。隠れていないでこちらに姿を現してくれ」


 その場に座っているだけの一馬に、木陰から人が姿を現す。やはり、一馬の思ったとおり、若い少女であった。
 さくらのように何か武芸に長けている様子もなく、どちらかというとか弱い少女だろう。


「……いや、……いや、…………いや」


 少女に明確な殺意は感じられないが、ナイフを両手で構えていた。怯えている、というのが正しいだろう。
 まず、一馬は自らの手元を見て、片手が銃を握っていたということに気がついた。
 当然、近付けば撃たれるかもしれないという恐怖が伴う。慎重であれば、あるほどに。だから、まずは一馬がそれを地面に捨てる。


「大丈夫だ、これで私に怯えなくていい。銃は捨てたよ。君は……」


 少女は銃がなくなったことに気付いて、ほっとしたような空気を出しながら、一馬に近付いていった。
 ナイフを構えてはいるが、刺激しなければ突き刺すことはないだろう、と一馬も睨む。
 怯えている少女は保護する……それが対降魔部隊としての義務だ。
 この少女はさくらとは違い、強くない。いや、自分の娘を可愛がりすぎか。とにかく、彼女に少しばかり自分の娘を重ねる。
 この状況下、最も会いたい人との共通点がある人間を見ると、つい重ねてしまうのが人の癖だ。


「…………やっぱり、…………………………こないで、バケモノ!!!!!!!!!」


 しかし、一馬は彼女がただの少女と思って、気を緩めすぎたらしい。
 距離が近付いていくと、一馬の身体に深々とナイフが刺さっていた。



 彼女の名は「公由夏美」。
 「雛見沢」の出身者で、「雛見沢症候群」の発症者でもある。
 それが何を意味するか。
 殺意を持たず、相手に向かっていくが、結局敵に見えてしまう。恐ろしい病気である。
 彼女の視点では、ミイラ、ライオンはそのまま見えていた。怪物同士の共食いが行われていたのである。
 そこで、彼はミイラに喰い殺されたはずだった。それなのに、彼の死体は再び動いた。

 ゾンビ。彼女は彼をそう見ることで、殺人に正統な理由をつけようとしたのである。
 彼女の過去の殺人例では、母親が狂って父親を殺し、自分を殺そうとした。──そんな思い込みをしながら、計算高くも両親を殺していたのである。
 雛見沢症候群とは、ヒトの「もうひとつの意思」みたいなもので、相手が襲い掛かってくる妄想をしながら、殺人行為をするのに計算高くなっていることが多い。
 だから、彼女もまた、表向きでは殺意を見せない怯える少女でありながら、もうひとつの意思を隠して一馬の胸にナイフを刺したのだ。



(ぐっ……………油断した……………さ、く、ら、…………………)


 目の前の少女は泣きながら、もう一度ナイフを振るう。既に出血多量同然だというのに、彼女は心臓を狙う。
 起き上がって避けようと思ったが、身体が重い。もはや時世の句を読むような余裕もなく、彼は血の海に消えた。


【真宮寺一馬@サクラ大戦 死亡】


【F-2/森 1日目 深夜】
【公由夏美@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:雛見沢症候群発症中、身体的には健康
[装備]:コンバットナイフ
[道具]:支給品一式、不明ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本:死にたくない
1:生き残りたい
2:殺人はしたくないが、相手が悪いから仕方ない
[備考]
※ 参戦時期は「染伝し編」の終盤。


★★★★★



「まかれたか……」

 ライオン丸こと、弾獅子丸は変身をとき、毛皮のポンチョに刀を隠しながら言った。
 支給品が自分の変身道具であったことは何という幸運だろう。これがなければ、あの達人木乃伊男を相手に生身で救いに行かなければならなかったということか。
 少なくとも、獅子丸にはあの男より秀でたものはない。
 無論、スピードも。


「仕方がない、あの男の様子を見に戻るか……」


 と、追うのを諦めて獅子丸が持ち場に戻ろうとしたときだ。
 木の上から、木乃伊男──志々雄真実が志士丸に飛び掛った。
 肩車のような形になり、足で両腕を絡めとりながら、包帯が彼の首をまく。
 今度は、気絶させるのに充分な力で締め上げる。すぐに獅子丸の意識はとんだ。


「これが弱肉強食だ。お前に獅子は相応しくないってわけだよ!」


 毛皮のポンチョ、彼の持つ刀、変身用ロケットを一通り剥ぐと、その刀で倒れた獅子丸の喉笛を突き刺した。
 血が噴水のように吹き出し、それを一身に受ける志々雄の身体は真っ赤に染まっていった。



【弾獅子丸@風雲ライオン丸 死亡】


【F-2/森 1日目 深夜】
【志々雄真実@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-】
[状態]:健康
[装備]:弾獅子丸の刀@風雲ライオン丸、変身用ロケット@風雲ライオン丸、ポンチョ@風雲ライオン丸
[道具]:支給品一式、不明ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本:弱肉強食。弱いものは死ぬ
1:獅子丸を殺して武器を奪ったし、一馬を殺す
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

藤宮昴

Author:藤宮昴
HN:藤宮昴
16歳の学生

多趣味だけどこのブログではアニメ、特撮、漫画、ゲーム、洋画、邦画、小説等を取り扱います。

たまに日常が舞台のブログになる時もあります。
最近はサクラ大戦、特撮、プリキュアなどのネタがメインです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
ブロとも一覧

大河内の缶詰

THE・武者戦記EX

God bless you

萌えタリ~な日常

霊様のブログ

サイザーの最前線日記(移転しました!

覚醒の夜明けに青い炎

暇潰の達人

僕らの飼育小屋

Shall l to coming out? 別館 ~Paranoia's world~

みんなの早期リタイア独立宣言書

私は百合じゃないんだからねっ!

雛見沢ゲットー

偽トロキャプチャ通信販売 New3DSLL,New3DS,2DS,WiiU,PS vita制作代行!NintendoSwitch

気ままに店長

しあんのぶろぐ

まったりな部屋

Love tube

MACHINE HEART ~機械にだって心あり!~

その日暮らし

アニライ<猫・w・>

なりそこないカメレオン ver.2.0

ドラコの玩具紹介ブログ

ハラちゃんのまったり日記

ぽん吉の音痴地帯w

白い閃光-ホワイト・グリント-

xxキタローxxのブログ

ぷにぷに 

廃棄物処理場

2次元に魂をひかれた者
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ケイタイでピッと
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。